大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)368 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

国選弁護人猪股正清の上告趣意について。

しかし、窃盗罪を認定する証拠として、被告人が窃盗した旨の自白の外その窃盗

が架空のものでなく客観的に存在した旨の盗難届があれば、被告人がその下手人で

ある旨の補強証拠がなくとも被告人の自白のみを唯一の証拠として有罪としたとは

いえないことは当裁判所大法廷判決の趣旨とするところである。されば、所論は事

実審裁判所の裁量に属する証拠の判断を独自の見解を以て非難するに帰し明らかに

刑訴四〇五条に定める上告事由に該当しないし、また同四一一条を適用すべきもの

と認められないから同四一四条、三八六条一項三号一八一条により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和二五年六月八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 田 中 耕 太 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

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